作:樋口美友喜 演出:池田祐佳理
→大人が二人ほど、体育座りでやっと座れるくらいの空間。
それ以外は暗闇。
目を凝らすと、それが男と女であることがやがて分かるだろう。
居心地悪そうに、少し他人の距離を保って。
二人、座っているそのような体勢になってから、どのくらいの
時間がたったのかよく分からないし、何が起こってそんな体勢
になったのかも、よく分からない。
ただ、まわりの闇の膨大さは、絶望の膨大さ。
長い沈黙、それ先に破ったのは女のほう。
「こういう時他の人はどうしているんでしょう?」
という女の言葉からはじまる。
女は、ヨスミという名の弁当屋。
見た目だけはキレイに整えてけれど仕事は化粧も落として
すっぴんで、湯気と油にまみれて暗い明け方から弁当を
詰めている。
中身がちっともなくて、夕暮れ時になると自分の人生に泣けて
くる女。
夕方になったらいつも祈るような気持ちになって泣けてくる女。
そんな女と、今まで生きてきて一度きりしか泣いたことのない
研究者と呼ばれる男。
先の見通しもない、出口のない暗闇の空間で、研究者は気を
紛らわすように、どうでもいい話を話し始める。
それは研究者の一回きりの泣きの話である。
会場:大阪・大阪城ホール西倉庫内特設劇場 ウルトラマーケット
東京・ザムザ阿佐谷
日程:大阪・2007年月10月26日〜28日(全4ステージ)
東京・2008年3月8日〜9日(全3ステージ)
■稽古場ルポ■